日本は世界の中でもトップクラスに衛生的な水とトイレ設備が確保できている国です。
しかし世界に目を向けてみると、水にアクセスする手段がなく、トイレがない環境で暮らしている人も少なくありません。このような現状から生まれたのが、SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」です。
今回はSDGs目標6について、水問題に関する世界の現状、子ども・女性への影響などを解説します!
SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」では、誰もが安全な水とトイレを利用できるようにすることを目標にしています。
SDGs目標6は6つのターゲットで構成されており、安全な水とトイレの利用に加え、水質改善や水不足、水源の管理など、あらゆる水問題の解決を目指す内容になっています。
水は生きていく上で欠かせないものであり、衛生的な水が得られなければ感染症などにより命を落とすケースも少なくありません。
誰一人取り残されることのない持続可能な社会を実現するためには、誰もが安全な水と衛生的な設備を使い続けられるようにすることが重要なのです。
(参照:https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/6-water/)
安全な水にアクセスできるようになった人は年々増えていますが、利用できない人もまだ多くいます。
ここからは、ユニセフと世界保健機関(WHO)が発表した報告書「家庭の水と衛生の前進2000-2020」の調査をもとに世界の現状を見ていきましょう。
(参照:https://data.unicef.org/resources/progress-on-household-drinking-water-sanitation-and-hygiene-2000-2020/)
世界では安全な水を利用できない人が約20億人いるといいます。4人に1人が、安全な水を確保できていないのです。約20億人のうちの1億2,200万人は、河川や湖などの浄水処理されていない地表水を利用しています。
地表水を利用している人の半数以上は、サハラ以南アフリカに住む人々だといわれています。
(参照:https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_act01_03_water.html)
2020年の時点で、世界の約36億人が安全に管理されたトイレを利用できていないと報告されています。そのうち4億9,400万人は家庭や近所にトイレがなく、道ばたや草むらなどの屋外で用を足しています。
衛生的なトイレ設備が利用できない人は、水が飲めない人よりも多く、途上国に集中しています。
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世界の30億人が、新型コロナウイルスのパンデミックの中でも、自宅に設備がないため水と石けんで手洗いをできなかったことがわかっています。
手洗い・うがいができなければ、当然感染症にかかるリスクも高くなります。しかし、自宅に手洗い設備を設けられるかどうかは、所得が大きく関係しているといいます。
(参照:https://www.unicef.or.jp/news/2020/0047.html)
けています。中でも影響が大きいのは、子どもや女性など立場の弱い人たちです。
特に安全な水を利用できる設備がない地域では、遠くの河川や湖まで水を汲みに行かなければなりません。その仕事を担うのは基本的に子どもや女性です。
毎日遠い道のりを水の重さに耐えながら歩かなければならないため、時間も体力も奪われ、子どもは学校に通うことができません。女性も水汲みに時間をとられ、働く時間がなく収入が得られないのが現状です。
また、河川や湖などから汲んだ水は、動物のフンや細菌の混じった不衛生な水です。浄水処理をせずに飲むと、抵抗力の弱い子どもは下痢を引き起こすことが多く、年間30万人の幼い子どもが命を落としています。
加えて、トイレがない環境に暮らす女の子や女性は屋外で用を足すしかないため、犯罪被害などに遭う危険があります。
弱い立場にいる子どもや女性を守るためには、安全な水道設備と衛生的なトイレ設備の普及を急ぐほかありません。
(参照:https://www.unicef.or.jp/special/17sum/)
地球温暖化や人口増加による水不足の問題も相まって、世界の水問題は想像以上に深刻になっています。2030年までに誰もが安全な水とトイレを利用できるようにするには、途上国でのインフラ整備を進めるほか、水不足の対策が不可欠です。
まずは身近なところから、寄付をして途上国のインフラ改善を支援したり、節水を心掛けたりするなどのアクションで、水問題の解決に取り組んでみませんか。
シャワーを出しっぱなしにしない、洗濯はお風呂の残り湯を使うなど、生活の中でできる節水対策はいろいろあります。
途上国の発展を支援し、一人ひとりが節水を心掛け、地球の水資源を守っていきましょう。
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