SDGsの達成に向けてさまざまな取り組みが行われていますが、その中のひとつにペットボトルキャップをワクチンに変える運動があります。今回はこの運動について、詳しく解説します!
ペットボトルキャップをワクチンに変える取り組みは、認定NPO法人「JCV(世界の子どもにワクチンを 日本委員会)」とUNICEF(国際連動児童基金)を中心に立ち上げられた運動で、誰でも参加できる取り組みです。まずはこの運動を推進する目的やSDGsとの関連について見ていきましょう。
目的は世界の子どもたちにワクチンを届けること
ペットボトルキャップを回収する最大の目的は、世界の子どもたちにワクチンを届けることです。
ペットボトルキャップを回収し、リサイクル業者に売却した際に出る利益がJCV(世界の子どもにワクチンを 日本委員会)に寄付されます。
そしてJCVがUNICEFと連携し、世界のワクチン工場へワクチンを発注するという仕組みです。ペットボトルキャップを1,000個集めれば2kgになり、1人分のワクチン代になります。10,000個集めて20kg分になれば10人分のワクチンが確保できるのです。
開発途上国にはワクチンがないために、命を落とす赤ちゃんや小さな子どもが1日4,000人います。2019年の5歳未満の死亡者は520万人おり、約3人に1人の死はワクチンで予防できます。
こうした背景から、世界の子どもたちにワクチンを届ける運動が始まりました。ペットボトルキャップを集めれば集めるほど、世界の子どもたちにワクチンが届けられ、病気や感染症から命を守ることにつながるのです。
(参照:ペットボトルキャップ回収)
(参照:私たちの活動)
SDGs達成に貢献できる
ペットボトルキャップをワクチンに変える運動は以下のSDGsの目標達成に貢献できます。
SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」
SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」
SDGs目標11「気候変動に具体的な対策を」
SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」
SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」
開発途上国に生まれた子どもの命を救い、健康を守ることはSDGs目標3や目標10に貢献できます。また、ペットボトルキャップはもともと捨てられてしまうものですが、リサイクル業者によってプラスチック資源として再利用されるため、プラスチックごみを削減し資源を循環できます。これらはSDGs目標12と目標14の解決策にもなります。
さらに、ペットボトルキャップを廃棄処分しなくて済むため、処理する際に発生するCO2の排出量を削減できます。これはSDGs目標11の気候変動対策につながります。
このようにペットボトルキャップをワクチンに変える運動は、SDGsの達成に大きく貢献しているのです。
(参照:法人・団体・学校関係の方へ 世界の子どもにワクチンを 日本委員会)
回収されたペットボトルキャップはどのようにしてワクチンに変わるのでしょうか。ここではペットボトルキャップが回収されてから途上国でワクチンが提供されるまでの流れを、より詳しく見ていきましょう。
1、集められたペットボトルキャップは回収業者によって、リサイクル資源として売却されます。
2、リサイクル資源としての売却益が、JCV(世界の子どもにワクチンを 日本委員会)に寄付されます。
3、JCVとUNICEFが連携し、世界のワクチン工場へワクチンの製造を依頼します。
4、ワクチンが製造されると、冷蔵・冷凍状態のまま航空輸送で支援国へ届けられます。
冷蔵・冷凍状態のまま管理することを「コールドチェーン」といい、子どもたちへのワクチン接種の直前までこの状態で管理されます。
5、支援国のワクチン保管センターで冷蔵庫や冷凍庫にて保存されます。
6、各地の予防接種会場へワクチンが運ばれ、子どもたちにワクチンが接種されます。
(参照:ペットボトルキャップ回収)
ペットボトルキャップの回収は、スーパーマーケットや百貨店、自治体などでも行っています。また、グリーングロワーズの商品を取り扱っている「マルエツ」や「カスミ」などでもペットボトルキャップの回収ボックスを設置していますので、お買い物のついでに持って行くのもおすすめです。
(参照:~お客さまとともに、世界の子どもたちにワクチンを届ける活動を支援~ペットボトルキャップの売却益寄付のお知らせ)
※全国のペットボトルキャップ回収業者一覧はこちらです。
ペットボトルキャップ回収業者一覧
集めたペットボトルキャップをリサイクル業者に売却することで収益による寄付金が生まれ、その寄付金でワクチンを発注することにより途上国の子どもたちの命が救われます。
ペットボトルキャップが多ければ多いほど助かる命が増え、資源の循環やCO2削減などのSDGs達成に貢献できます。
今までペットボトルキャップをごみとして捨ててしまっていた人は、ぜひこれを機に集めてみてはいかがでしょうか。一人ひとりの力を合わせて、世界の子どもたちにより多くのワクチンを届けていきましょう。
あわせて読みたい: SDGs17/企業と私たち一人ひとりがパートナーシップで協力し合えること
この記事をシェアする